仮想通貨を始めるなら、知っておかなければならないのが「スプレッド」の存在。これを知らずにむやみに取引をすると、要らぬ損をしてしまうかもしれません。
「なるべくリスクを減らしたい」
「損をしない方法が知りたい」
そう思うのならスプレッドくらいは知っておかなければなりません。
当記事では販売所と取引所の違い、そして「スプレッド」とは何なのかをご紹介いたします。
販売所で取引すると損!?スプレッドとは何か
販売所とは
スプレッドについて知るには、まず仮想通貨の「販売所」と「取引所(交換所)」の違いを知らなくてはなりません。ここではまず販売所とは何かについてご説明いたします。
仮想通貨販売所とは、簡単にいえば金券ショップのようなものです。
あらゆる仮想通貨を販売するのはもちろん、買取も行っているのが販売所で、ここで取引を行う場合、取引相手は個人ではなく、その販売所を運営する「企業」ということになります。
販売所の特徴は、以下の二つです。
2.販売所の提示する価格で確実に取引できる
企業と取引をするので一定の安心感があります。
また、個人と取引をするには、「買い」を希望する人が見つかることが条件ですが、企業の運営する販売所では、こちらの売りたい分を買い取ってくれるので便利です。
先ほど「金券ショップ」と言いましたが、仮想通貨の販売所はネット上にあるものです。街中を探しても見つかりませんのでご注意ください。
取引所(交換所)とは
仮想通貨取引所とは、株式の売買を行う場所と似たことが行われている仮想通貨の取引所です。
販売所では、企業と取引をすることになると言いましたが、取引所の場合、取引相手は個人。売りたい人、買いたい人が集まっていて、彼らが個人的に取引を行います。
1ビットコインを相場通りの価格で売りたい人と、同じく1ビットコインを相場通りの価格で買いたい人がいたときに、取引が成立するわけです。特徴を簡単にまとめてみましょう。
2.売買注文の板にある価格で取引が可能
まあそのままですね。ここまででわかりにくいところは無かったと思います。
それではいざ、スプレッドとは何かについて見てみましょう。
スプレッドとは
スプレッドとは、仮想通貨1個当たりの「購入価格と売却価格の差」のことです。
たとえばビットコイン販売所であるビットフライヤーを見てみましょう。2017年11月27日、17:00現在、ビットフライヤーのビットコイン1個当たりの購入価格及び売却価格は以下の通りとなっております。
4万円くらいの差がありますよね。もしビットフライヤーで1BTC(ビットコイン)を購入し、直後にそれをビットフライヤーに売却すると、43,893円損をしてまいます。
この43,893円という、購入価格と売却価格の「差」こそが「スプレッド」です。
金券ショップでは、金券を多くの場合、安く買い叩かれますよね。
そしてその金券が原価に近い値段で販売されたりする。仮想通貨の販売所は性質的に、それら金券ショップと似ていると言えるわけですね。
そのことは、取引所での売買価格、つまり個人間での売買価格を見れば明らかです。
取引所のほうがお得?
たとえばコインチェックなどのホームページを見てみてください。
このような表があるはずです。
これは1ビットコイン当たりの売買価格をコピペしたものですけれども、「売」とついているのは「売り注文」つまり1BTC当たりの売却価格のことであり、上の例では最安が約1,085,325円となっていますね。この価格でなら売ってもいいよー、ということです。
これに対して、売却価格の下にある「買」は「買い注文」のこと。つまりビットコインが欲しい人が、この価格でなら買いますよ、と言っているわけです。
上の例ですと、1BTCに1,085,210円出しますよと言っている人がいるということになりますので、その人にビットコインを売るのが一番お得ということになります。
それではこのケースでスプレッドを考えてみましょう。
売却(可能)金額 1,085,325円
差額は115円、つまりスプレッドは115円です。販売所のスプレッドとはえらい違いですよね。
皆さんもうすでにお分かりかと思いますが、仮想通貨は販売所で購入したり、売却したりするよりも、取引所でそうしたほうが「安く買えるし、高く売れる」のです。
まとめ――販売所の意義
以上、販売所と取引所の違い、スプレッドについてご紹介いたしました。
やはり基本的には、取引所で個人と売買を行ったほうがよいでしょう。
しかし販売所にメリットがないというわけではありません。個人間で取引する場合、購入できる仮想通貨の量には上限があります。
1BTCしか持っていない人から2BTCを買うことはできませんよね。ビットコインをたくさん欲しければ、それだけたくさんの取引をする必要があり、面倒です。
販売所ならいっぺんに同価格で大量の仮想通貨を購入できるので便利です。大口の取引には販売所が良いでしょう。
また、とある仮想通貨の価値が暴落したとき、取引所には売り注文が殺到し、逆に買う人が少なくなります。
買い手がつかないうちにどんどん価値が下落して、ごみくず同然になってしまう……そんなこともあり得るわけですね。
しかし取引相手を個人ではなく企業にすれば、とりあえず今ある分を買ってもらうことはできるでしょう。
買い叩かれることは必定ですが、手をこまねいて見ているだけ、という事態には陥らないわけです。
そこまでの暴落が起こる可能性は低いのですが、もしそういうことがあったときには販売所を利用すると覚えておくことが大切です。
【次項】マイニングの意味と仕組みについて
【前項】仮想通貨の価格変動と売買のリスクについて