アルトコインの一種であるNEO(ネオ)は、中国発の仮想通貨でプラットフォーム上でICOを行うことも可能など、高い拡張性をもっていることが特徴です。
機能性の高さから中国版イーサリアムと呼ばれることがあるほどで、完成度の高さなどで話題になりました。
2018年1月に発表された格付け会社の評価では、ビットコインを上回る評価を受けていて、再び注目が集まっています。
NEOの主な特徴
・機能性の高さから中国版イーサリアムと呼ばれている
・中国の仮想通貨規制の影響を受けやすい
・格付け会社の好評価で注目度が上昇
NEOは中国で誕生した次世代型の仮想通貨です。誕生時の名前はAntShare(アントシェア)で、仮想通貨のマークも蟻をイメージしたものでした。
しかし、2017年にNEOへ名称変更を行い、仮想通貨のマークなども一新されました。中国最大級のECサイト運営企業アリババと提携を行うなど実用化に向けた取り組みも進んでいます。
特徴的なのは、その拡張性の高さです。スマートコントラクト機能を有し、様々な権利情報や契約情報を結びつけ、自動化や効率化に貢献してくれます。
また、プラットフォーム上で独自のトークンを発行することが可能で、仕組みさえ理解していれば誰でもICOが可能になります。発行されたトークンは同じNEOプラットフォーム上の交換なども可能なため、NEOを基盤に様々なアプリケーションやECサイトなどを構築することも可能です。
その拡張性の高さと完成度の高さから中国版イーサリアムと呼ばれているほどで、数ある仮想通貨の中でも上位に食い込む時価総額を誇ります(時価総額9位)。
様々なプログラミング言語でNEOプラットフォームを利用することができ、決済の処理速度も速いなどメリットが多いのです。
イーサリアムのプログラム開発には特殊な開発言語を学ぶ必要がありますが、NEOの場合は世界で一般的に使われている開発言語を利用可能です。開発のハードルが低いこともNEOの評価が高い一因となっています。
イーサリアムはビットコインに次ぐ不動の2位の時価総額を誇っていますが、NEOとお互いに影響を与えあっている部分があるのです。
NEOには二種類の仮想通貨がある
NEOにはNEOプラットフォーム上で動く2種類の仮想通貨があり、それぞれ役割が異なっています。
基本になるのがNEOです。NEOは発行枚数に上限があり、プレセールで購入した投資家や、開発者などに報酬として支払われています。
NEOをもっていると保有量に応じたGAS(ガス)という報酬が支払われるのが特徴で、先行投資した人の特権になっています。
NEOは新規に発行出来ない仕組みになっているため、すでに所有している人から購入しなければ入手することが出来ない仕組みになっています。
もう一つの仮想通貨がNEO保有者に支払われ、NEOプラットフォーム上の様々な手数料に使われるGAS、またはNEOGAS(ネオガス)と呼ばれる仮想通貨です。
契約時の手数料などにはこちらのGASが使用され、NEO自体を消費することがない仕組みになっています。
NEOは株券のようなもので、GASはお金と考えるとわかりやすいかもしれません。NEOを保有していればGASという配当金をもらえ、様々な手数料の支払いに利用できるのです。
NEOプラットフォームが拡大するほどGASの使用量は増え、NEO保有者に対する報酬が増えていく可能性があります。
一方で、GASは消費することが前提のため非常に価格が安く、入手しやすいのが特徴になっています。
中国の仮想通貨規制の影響を受けやすい
中国は仮想通貨大国の一つです。電気量が安いことから様々な仮想通貨のマイニングを専門に行う工場が集中していて、莫大な利益を生んでいます。
大手マイニング業者のビットコインのマイニング量を合計すると過半数を超えてしまうため、しばしば問題視されることがあるほどです。
一方で、仮想通貨の取引により国内の富が国外に流出するのではと懸念を抱いているのが中国政府です。中国政府は様々な仮想通貨の規制を打ち出していて、仮想通貨市場に大きな影響を与えています。
中国発の仮想通貨ということもあり、NEOも中国政府の規制を受けやすいという懸念があります。規制に関する情報で大幅に値動きが生じることもあるのです。
ただし、NEOという仕組み自体を規制することはできないため、活動拠点を海外に移すなど工夫をすれば問題がないと楽観視する投資家もいます。
普及が進んでいる仮想通貨であるため、中国を除いた海外でも十分成り立つ余地があるのです。
格付けによって再度注目を浴びることに
2018年1月24日、米大手格付け機関Weiss Ratings(ワイスレーティング)が仮想通貨の格付けを発表しました。
NEOはビットコインを上回る評価を受けているのが特徴で、再度注目を浴びるきっかけとなっています。格付け発表後、NEOの価格が急騰する場面も見られました。
NEOの格付けはB-です。優れた投資対象がAになるため、比較的優良な投資対象として格付けされています。NEOのライバルであるイーサリアムの格付けはBであり、若干上の評価になっています。
仮想通貨の代表的な存在であるビットコインはC+で、NEOよりも下になります。ビットコインは構造上の問題から決済に時間がかかり、流通量が増えるにつれ様々な障害が起きる原因になっています。抜本的な対策が難しいことが評価を下げる要因となっているのです。
格付けをきっかけにNEOを投資対象に組み込んだ金融商品などが増える可能性もあり、今後の値動きに注目が集まっています。
NEOの購入方法
NEOは国内の仮想通貨取引所で扱いがなく、購入する場合は海外取引所を経由する必要があります。
日本語にも対応する取引所の一つがバイナンス(Binance)です。他にもビットレックス(Bittrex)、ビットフィネックス(BITFINEX)などで扱いがあります。