仮想通貨リスク(Lisk)は、スマートコントラクト機能を盛り込んだアルトコインの一つです。
スマートコントラクトを日本語に直訳すると『賢い契約』で、様々契約に権利情報などを結び付けて処理できるようになっています。
スマートコントラクトを盛り込んだ仮想通貨としてはイーサリアムが有名ですが、リスクはアプローチの方法が異なっています。
リスクはサイドチェーンと呼ばれる複数のブロックチェーンを組み合わせる仕組みを採用しているため、従来はできなかった柔軟な処理が実行できるようになっています。
また、2018年2月にリブランドの計画が立ち上がっていて、再び注目を集めています。
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リスクの主な特徴
・世界的に普及しているプログラミング言語を採用
・発行枚数の上限がない
・リブランド(リローンチ)で注目が集まる
リスク(Lisk)は2016年5月に公開された仮想通貨です。
サイドチェーン技術を採用しているのが最大の特徴で、ビットコインや他のアルトコインとの違いにもなっています。
様々なアプリケーションや取引所などのプラットフォームとして利用できるように設計されています。リスクのプラットフォーム上で利用できる仮想通貨がLSKです。
ブロックチェーン技術は様々な取引情報などを全て記録し、その情報を分散処理することで改ざんができないように設計されています。
不正な改ざんなどをしようとするとブロックチェーンの情報自体が承認されなくなり、価値を失う仕組みになっています。
改ざんが不可能なことが大きな利点である一方で、情報を読み出したり照合したりするための負担が大きいという弱点がありました。
様々なアルトコインは処理速度のアップや省力化を目指して改良を行っていますが、リスクの場合は複数のブロックチェーンを組み合わせるサイドチェーン技術を利用することでこの問題を克服しようとしています。
複数のブロックチェーンを使えば、一部の情報だけを照合して不正がないことを確認するなど、処理の仕方が広がります。
また、複数のブロックチェーンを組み合わせているため契約に紐付けられる情報量も多くなり、柔軟な利用が可能になります。
過去には構造的な欠陥があったためにプロジェクト自体が停止されてしまった仮想通貨も存在します。
しかし、サイドチェーン技術を利用している場合は一部のブロックチェーンのみを利用不可にして他のブロックチェーンを使うなど、問題の修正が容易になります。
安定性の高さもリスクの魅力の一つになっているのです。
記述言語にJavaScriptを採用
サイドチェーンと並ぶリスクの特徴となっているのが、開発言語です。スマートコントラクトの記述言語にJavaScriptを採用しているため、アプリなどの開発のハードルが大きく下がっているのです。
JavaScriptは世界的に普及しているプログラミング言語の一つです。
パソコンやスマホのアプリにも一般的に使われていて、Webサイトなどで使われることも多くなっています。日常的に使われているプログラミング言語のため、学んでいる人が多いという長所があります。
プログラムを作るための開発言語などが特殊な場合は、まず開発言語から学ぶ必要があります。
イーサリアムなどの仮想通貨はプラットフォームとして優れている一方で、開発言語を学ぶ手間がかかるケースがあります。一般的に使われている開発言語とは異なるため、技術を習得するまでに時間がかかるのです。
JavaScriptの場合はすでに学んでいる人が多く、技術をもっている人であれば気軽にアプリなどを開発できるというメリットがあります。開発や参入のハードルが低いため、発展の余地が大きいのも魅力になっています。
また、技術は開発して終わりではなく、メンテナンスなどの維持も大切になります。人材確保の面においても優位に立てるアルトコインになっているのです。
もちろん、デメリットも存在します。一般的な開発言語を採用するということは、それだけ構造を読み解ける人が増えるということであり、悪用される可能性も出てくるということです。技術的に未熟な人が参入することによるトラブルも想定されます。
一方で、参入が難しいだけでほとんどの仮想通貨はオープンソースで開発されていて、その仕組みや開発の過程は世界中に公開されています。
不正を防ぎ、チェックしてもらうためにも情報を公開した方がメリットが大きいという面もあるのです。
JavaScriptの採用は大きなリスクではなく、メリットが大きいというのが設計の根本にあるのです。
発行枚数の上限がないのも特徴
通貨コード | LSK |
取引開始日 | 2014/1/18 |
発行上限 | なし |
流通量 | 110,008,590 |
リスクは発行枚数の上限がなく、理論上は無限に発行できる仮想通貨になっています。供給量が多い仮想通貨は希少価値がつきにくいのが特徴です。
ビットコインの上限は2100万枚ですが、細かく分割することで使いやすくしています。それでも価格の高騰を招くなど、問題になっている面があります。
リスクの場合は発行枚数の上限自体がないため、手に入り辛いということが少なく、流通しやすい仮想通貨になっているのです。
発行上限がない場合の問題点は、過剰に発行されてしまうと価値が暴落してしまう可能性があることです。
リスクはフォージング(鋳造)と呼ばれる方法で新規のリスクを発行していますが、新規発行の効率は年々落ちるように設計されています。
リスクは、ネットワークの維持のために貢献してくれた人にLSKを報酬として与える仕組みを採用しています。取引量や保有量などによって受け取れるLSKの量が変わってきます。
この受け取れるLSKの割合を年々減らすことで過剰な供給が起こらないように調整を行っているのです。
利用者が多いほどネットワークの維持はたやすくなるため、価値の変動も起こりにくいという考え方になっています。
リブランド戦略で再び注目が集まる
リスクは独自のトークンを発行するなど、ICOにも使いやすいように設計されています。生活を便利にするための仮想通貨であり、様々なチャンスとして利用できることを目指しているのです。
リスクは非常に優れた部分があるものの、イーサリアムなどのほかの有力なアルトコインなどとの競争が生じ、余り目立たない存在になりつつありました。
アルトコインは種類がありすぎてわからない、そもそもアルトコインというものがなんであるかもわからないという人も多いのが現実です。
そのため、リスクの開発や運営を行うリスク社CEO兼共同創業者マックス・コーデック氏が2017年11月22日のミートアップで、正式にリローンチ(再始動)を発表したのです。
実際にリスクを利用するためのアプリケーションを公開するだけでなく、2018年2月20日にリブランド(通貨名の変更など)を行うことが決定されています。
新たなロードマップも発表されていて、実用化に向かって新たなスタートを切った形になります。
名前の変更やロゴなどで注目を集めた様々なプロジェクトは多く、国際的な認知度が高まり、企業価値が高まったケースもあります。仮想通貨でも名前の変更で注目を集め、価格が上昇したものも存在します。
リスクの場合はLSKウォレットなどの実際に利用できるアプリケーションなども公開される予定のため、実用化にも弾みがつく可能性があります。
注目度の高まりから価格も上昇傾向にあり、注目を集める仮想通貨の一つになっているのです。
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