チャートを確認する際によく耳にする「陰線」「陽線」は、チャートを分析する際に非常に重要な指標となるものです。
陰線は一定時間に価格が値下がりをしたことを示し、陽線は逆に値上がりをしたことを示します。瞬間的な価格の上下ではなく、分単位、時間単位、1日単位などで陰線と陽線が入れ替わるのがポイントになります。
過去の価格の推移などから、陰線と陽線が将来の値動きにどのような影響を与えるかを読み取れば、収益をあげやすくなります。
一方で、陰線と陽線が反転するタイミングを見極めなければ損失が膨らむ可能性があるため注意が必要なのです。
「陰線」「陽線」の基本とは?
・陽線は一定時間の仮想通貨の値上がりを示している
・陰線と陽線が交互に入り混じって価格の変化がおこる
・陰線と陽線は細かく分類することができる
「陰線」と「陽線」は、もともと株式やFXなどで使われていた用語です。
価格が下がり始めてから下がり終わるまでが陰線、逆に上がり始めてから上がり終わるまでが陽線と考えるとわかりやすくなります。
陰線と陽線は交互に繰り返すもので、期間や価格の変化スピードに違いがあるため相場が変化していくのです。
株式の場合は市場が開いている時間が決められているため、始値と終値を分析することで陰線と陽線をチェックすることが簡単になっています。
しかし、仮想通貨の場合は24時間取引ができることが一般的なため、どの時間を基準に、どの周期で見るかによって陰線と陽線が大きく変わります。
相場はリアルタイムで変化していくもののため、分単位か時間単位か、あるいはもっと長い期間で見るかで陰線と陽線が入れ替わってしまうためです。
例えば、1日を通して仮想通貨が下がり続けても、翌日には下がった以上に価格が上がることは珍しくないのがポイントです。
1週間や1ヵ月単位で見た場合は1日だけの陰線ではなく、長期の陽線の方が目立つケースがあるからです。
また、過去の陰線と陽線を分析すれば、価格が上下する法則性を発見できるケースがあります。
法則性を発見することで値動きを予測し、短期間に大きな収益を確保する人も存在するのがポイントになります。
仮想通貨投資で利益をあげたい場合は、どの程度の期間仮想通貨を保有し、どのタイミングで売却をするか、陰線と陽線をチェックして指標を決めた方がプラスになる場合があるのです。
陰線と陽線には強さがある
陰線と陽線には強さがあり、それぞれトレンドと呼ばれることもあります。
陰線が出る期間が長ければ下降トレンド、陽線が強ければ上昇トレンドといわれます。これは仮想通貨を欲しい人と売りたい人のバランスが常に変化し、希少価値が変化するからです。
例えば、仮想通貨の実用化に関するニュースが発表されると、実用化が進んだ仮想通貨の価値が上昇することが多くなります。
ニュースが良いニュースであればあるほど、価格の上昇が大きくなり、発表の間隔が短いほど上昇が継続しやすくなります。
市場が楽観的になればなるほど陽線は強くなり、右肩上がりに価格が上昇する確率が高くなります。
一方で、仮想通貨の不具合や不正に関するニュースが発表されると、仮想通貨の価格は下がりやすくなります。悪いニュースが続けば下降トレンドに突入し、継続的に価格が下がる可能性が高まります。
陰線や陽線には様々な裏づけがあるケースが多く、チャートだけでなく現実で何が起こっているかを確認することも大切になってきます。
注意したいのは、仮想通貨はそれぞれ発行枚数が異なり、持っている人数にも限りがあることです。
一部の人が買い占めようとすれば価格が大幅に上昇し、手放し始めれば一気に下降する可能性があります。
誰がどの程度仮想通貨を持っているのか、どのように扱うかで陰戦や陽線の出かたが大きくかわわることが多いのです。
発行枚数の少ない仮想通貨や、注目度の低い仮想通貨ほど急激に価格が変化ことが多いのがポイントになります。
仮想通貨取引所の上場で大きく価格が上昇し、1日持たずに価格が急落した仮想通貨は非常に多いのです。これは仮想通貨が流通するルートが少なく、希少姓が高いためです。
全く注目を浴びていなかった仮想通貨が著名人の発言で一気に価格の高騰を招いたケースも存在します。
重要なのは、過去のデータが存在しない仮想通貨の陰線や陽線を読むことが極めて難しいことです。しかし、類似する仮想通貨の過去の取引から傾向を読み取ることはできます。
上場後急激に価格が上がる陽線が出ている場合は様子を見、陰線が出始めたら即座に売るなど、工夫をすれば収益をあげるチャンスが増えます。
上場時はタイミングがかみ合わないと高値で購入して売るタイミングを逃すこともあるため、見送るのも一つの方法です。
価格の変化が激しい仮想通貨や、逆に緩やかに変化する仮想通貨なども存在するため、陰線と陽線の出方をチェックするのは仮想通貨投資の基本になります。
長期的な上昇トレンドに入っている銘柄を選別することや、1日の中でも変化が読みやすい銘柄を選ぶことで収益をあげやすくなります。
下降トレンドに入ってもニュース一つでトレンドが入れ替わるケースもあるため、銘柄を調べて逆張りしていく方法もあります。
年単位で保有することを前提に仮想通貨を購入する人も存在し、数百倍、数千倍といった価格上昇の波に乗った人も存在するのです。
陰線と陽線は細かく分類することが可能
陰線と陽線は細かく分類することが可能で、強弱は一つの目安になります。大切なのは、仮想通貨を欲しい人がどの程度存在するかを把握することです。
価格上昇の余地があるか、下落する可能性が高いかを把握することでどのような傾向のある陰線か陽線かを把握することができます。
例えば、陰線が出ていても、過去のデータを分析すると「この価格以下には下がりにくい」、「何%以下まで下落することが珍しい」といった傾向が出る場合があります。
同じ傾向が10回中9回あった場合はまた繰り返す可能性が高いなど、仮想通貨ごとに独自の分析をする投資家は多いのです。
陰線や陽線を分析し、どのようなパターンに分類し、いつ価格が反転するのか、下落や上昇が続くかを予測することで収益をあげやすくなります。
陰線と陽線の「ヒゲ」を分析する方法もあります。ヒゲとは、ローソクを見た際に高値や安値などを記録しながら、取引の量が薄かった場合にでてきます。
細い一本線に見えるため、ひげと呼ばれるのがポイントです。ヒゲがでない部分は取引のボリュームが大きく、価格が安定していると見ることができます。
陽線の上に長いヒゲがでた場合は、高値で購入した人がいるものの、売りたい人も多く急激に価格が上下したことを意味します。ヒゲが短くなるほど需要と強供給のバランスが一致していて、価格が維持されやすくなります。
陰線の下にヒゲがでた場合は、逆の現象が起こります。長いひげがでた場合は、安値で売る人が多かったものの買いたい人も多く、元の価格に戻ったことを示します。ヒゲが短いほど底値は硬くなり、下降の余地が減ります。
価格が安定してくると、意図的に価格を変化させる仕掛けを打つ投資家もいます。
あえて価格の変化を誘ってトレンドにつなげることで、収益をあげようとするのです。ヒゲを見ることで価格が反転する兆しが読める場合も存在します。
株式など歴史のある投資の分析方法を組み合わせ、収益の最大化を目指す投資家や投資機関も存在します。
陰線や陽線などの分析方法を学んで自分の信頼できる基準を作り、フィーリングではなく理性で仮想通貨の購入や投資を考えることも大切なのです。