bitmex(ビットメックス)は、香港に拠点を置く仮想通貨取引所です。特徴的なのがFXにターゲットを絞り、最大100倍までのレバレッジをかけられることです。
追証がないなどFXをする人にとって大きなメリットとなる特徴が含まれているものの、現物取引自体が存在しないため長期保有には不向きになっています。
海外取引所でもかなり毛色がかわった取引所になるため、利用する場合には注意が必要です。
bitmex(ビットメックス)の特徴
・手数料が格安で追証が存在しない
・出金が1日1回など制限も多い
・現物を購入して長期保有ができない
bitmex(ビットメックス)はP2Pを利用した海外取引所です。P2Pは通信網を利用して様々な処理を分散処理する通信方式で、サーバーなどの高額な設備を省略することも可能なことから注目を集めています。
仮想通貨もP2Pの技術を取り入れることで価値の保証などを行っているため、仮想通貨取引には非常に相性が良いシステムになっています。
bitmexの最大の特徴になっているのが、FX専門の仮想通貨取引所だということです。あくまで仮想通貨同士の取引プラットフォームを提供しているという体裁であり、本人確認書類の送付がなくても取引ができるのも特徴です。
ただし、仮想通貨の現物取引はできず、将来の値段の変化を予想しながら取引をするFXのみの提供になっています。
期限無しで仮想通貨を保有することも可能ですが、8時間ごとに手数料が発生することに注意が必要です。あくまで仮想通貨は借りたものという扱いになり、手元に置き続けるだけでも手数料がかかるのです。
ビットコインやその他の仮想通貨を保有したいのであれば、他の仮想通貨取引所を利用するのが基本になります。
一方で、bitmexは最大100倍までレバレッジをかけることができます。レバレッジとは取引時の倍率のことで、たとえば1ビットコインの利用で100ビットコイン分に相当する取引が可能になるということです。
国内取引所では最大25倍までがレバレッジの目安になるため、いかに大きなレバレッジをかけられるかがわかります。
また追証がないのも特徴です。追証(おいしょう)とは追加の証拠金が必要になった状態で、いわば借金が発生した状態です。
高いレバレッジを賭けると損失が一気に増える可能性が存在するため、預け金で支払いきれない分が追証として請求され、支払いができなければ破産などの経済リスクが生じてしまうのです。
しかしbitmexの場合は、取引金額がマイナスになった際も口座に預け入れた証拠金のみで処理が完了します。そのため、追加でお金を払う必要がなく、最悪の状況でも口座の残高がゼロになるだけで済むのです。
ただし、口座の残高がゼロになればそれ以上取引を続けることはできなくなるため、資産がゼロになるリスクがあるということには理解が必要です。
レバレッジの倍率を上げて大きく儲けられる可能性がありながら、マイナスになる可能性がないというのがbitmexの特徴になっているのです。
手数料が格安などメリットも大きい
FXに限らず、仮想通貨の取引には板に注文を出すメイカーと、注文内容にしたがって売買を成立させるテイカーが存在します。
Bitmexの場合はメイカー手数料がマイナスになっているため、メイカーとして注文を出し、売買を成立させることができれば手数料が貰えるという特殊な設定になっています。
メイカーとして注文を成立させればそれだけで収益をあげられる可能性があるのです。
同様の手法で仮想通貨の売買を行っている取引所にZaif(ザイフ)があります。うまく売買ができれば手数料だけで資産を増やせる仕組みになっています。
注意したいのは、相場は変動を続けるものであり、うまく成立させなければ注文が取り残されるケースがあることです。また、FXの手法によっては長時間注文を出し続けるだけで手数料がかかってしまう可能性があります。
テイカーとして注文を成立させた場合も手数料が発生するため、全ての面で手数料がかからないわけではないのもポイントになります。
実際にトレードをするのであれば、自分のトレード手法やポジションから最適な取引所を割り出す必要があり、一部でプラスが出ても他の面でマイナスになれば利用の価値がなくなります。
Bitmexは取り扱い仮想通貨の種類が多く、様々なペアを組めるというメリットもあります。ただし、あくまで仮想通貨同士のペアであり、法定通貨(円やドル)での取引がないのも特徴の一つです。
法定通貨を利用したFXがしたい場合は、別の取引所を利用する必要があるのです。
Bitmexのデメリットはどんなところか
Bitmexのデメリットの一つが、ビットコイン以外の入金ができないことです。大手海外取引所ではビットコイン以外の仮想通貨や法定通貨の入金を受け付けているケースが多く、それだけ取引の幅が狭くなってしまいます。
法定通貨を利用できないと、どの程度の収益をあげているかリアルタイムで把握することが難しくなります。ビットコインのレート自体が常に変動するため、収益をあげるスピードよりも下落のスピードの方が上がってしまう可能性もありえるのです。
仮想通貨FXでも法定通貨とペアになった取引が多いため、注意が必要なポイントになっています。
また、出金が1日1回に制限されているのもデメリットの一つです。ビットコインの相場が急変した際に、残額を引き出すことが難しくなるケースがあるからです。
サイトが日本語対応になっている一方で、最新ニュースが英語表記であるなどミスマッチも所々に見られます。
あくまで海外拠点の取引所であり、システムなどの不具合が起こった場合の補償も含めて把握することが困難なのもポイントです。
万が一のリスクについても考えておく必要があり、あらゆる面で優れた仮想通貨取引所というわけではないのです。
海外大手取引所との比較
海外取引所で取引を行う場合は、大手と比較することも重要になってきます。
今回は大手海外取引所、binance(バイナンス)とBitmexの比較ポイントをまとめます。
binance(バイナンス)の特徴
・取扱仮想通貨の種類が豊富
・各種ハードフォークにも対応するという発表がある
・法定通貨に対応している
Bitmexの特徴
・ハードフォークの影響を受けない
・高レバレッジでFXが可能
・法定通貨に対応していない
二つの取引所の最も大きな違いが、仮想通貨の現物保有ができるかどうかです。
Binanceは様々な仮想通貨の取り扱いがあり、現物購入が可能です。また、各種ハードフォークにも可能な限り対応することを明言している取引所の一つで、購入した仮想通貨を放置しているだけで価格が増えたり、種類が増える可能性があります。
BitmexはFX専門の仮想通貨取引所であり、仮想通貨の現物所有自体ができない仕組みになっています。ハードフォークの影響も受けないため、長期で利用するメリットが薄く、相場の変化に合わせた取引を考えていく必要があります。
長期保有に向いているのがBinance、短期取引に向いているのがBitmexと考えることもできますが、仮想通貨自体相場が常に変動するものです。
あくまで自分が利用する上でのメリットとデメリットで判断していくことが大切といえます。